日産・ホンダ・三菱自動車が減少…自動車生産に影響及ぼす中国市場のインパクト
乗用車メーカー8社が30日発表した7月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比1・0%増の205万5090台だった。6カ月連続のプラスとなったが、日産自動車、ホンダ、三菱自動車、ダイハツ工業の4社が前年同月を下回った。中でも日産、ホンダ、三菱自は中国の生産が落ち込んだ。新型コロナウイルス感染拡大や半導体不足の影響が薄まる中で、中国市場の競争激化が各社の生産・販売に影響を及ぼしている。
8社合計の世界生産の伸びが小さくなる中で、トヨタ自動車は世界生産が同14・6%増の80万9400台、世界販売が同7・8%増の85万9506台とそれぞれ過去最高だった。中国市場は生産・販売とも前年を下回ったが、国内や北米市場などの伸びが上回った。生産では需要に対応するため各地域の生産能力を向上したことも寄与した。
日産は中国の生産が同41・4%減、販売が同33・6%減となり、世界生産・販売が前年同期比で減少する主因となった。ホンダは中国の生産が同57・2%減、販売が同32・8%減となり、世界生産・販売も前年同期を下回った。国内生産は、前年同月に中国のロックダウン(都市封鎖)解除後の部品供給回復や新車投入効果で生産が増えた反動があり、同4・2%減だった。
三菱自は中国で工場稼働の停止が続いているほか、インドネシアでも前年同期比で生産が減少した。一方、ダイハツは仕入れ先工場の火災の影響で国内生産が減少したため、世界生産も減少した。
7月の8社合計の海外生産は同4・8%減となり、前月から減少幅が拡大している。コロナ禍や半導体不足に代わり、中国市場の動向が各社の生産・販売に大きな影響を及ぼす要因となっている。
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日刊工業新聞 2023年08月31日