ピッキング人員を3割減らせる、LIXILが新システム導入
LIXILは浴室の主力生産拠点である筑波工場(茨城県つくば市)に、ピッキング作業者がいる場所まで無人搬送車(AGV)が棚ごと搬送するGTP(グッズ・トゥ・パーソン)システムを2年以内に追加導入する。従来の修理部品などに加え、新たに施工部材など全ての小型部品をGTPシステムに対応させる。これによりピッキング作業に必要な人員を約3割減らし、複数の階や建屋に分かれて置かれている小型部品をワンフロアに集約して部品保管スペースを約3割削減する。
筑波工場では現在AGV5台を運用し、浴室の施工現場で必要になった追加部品や修理部品のピッキングにGTPシステムを用いている。以前は作業者がカートを押して棚を回り必要な部品を発送先ごとに集めていたが、同システムにより作業者がその場を動かず自動的に棚が運ばれて部品を集められるようになり、作業負担が大きく軽減した。
また、高さのある棚が使えるようになり通路も不要になったことで、筑波工場では棚の数を300台から166台に、使用面積を1500平方メートルから900平方メートルに縮小した。必要な作業者も外部倉庫を合わせて8人から4人に削減した。
一定の効果を得られたため、今後は壁パネルや浴槽と同時に発送するシャワーや棚、施工部材などの小型部品も同システム化し、さらに省力化と使用面積の削減を図る。空いた敷地は協力工場に委託していた一部商品の内製化などに使う。
また、3月に集合住宅向けの小型部品のピッキングで、使用頻度の高い部品をあらかじめまとめてから分配する仕分け機「オムニソーター」1機を導入した。投資額は数千万円。ソーターに部品を投入する際にも同システムを使用するため、2023年度末までにGTPの敷地を3割拡張してAGV対応の棚を60台追加する。今後戸建て住宅向けのピッキングでも使用できるよう、ソーターの増設も行う。