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電動化を成長領域に…売上高5兆円目指すアイシンの新中計の中身

アイシンは14日、2025年度に売上高5兆円(22年度実績は4兆4028億円)、営業利益3000億円以上(同579億円)、投下資本利益率(ROIC)10%以上(同1・8%)を目指す中期経営計画を発表した。電動駆動装置「イーアクスル」やアルミダイカストで電気自動車(EV)のボディー部品を一体成形する「ギガキャスト」などに取り組み、競争力のある商材を投入する。電動化や知能化を進め、30年度に売上高を5兆5000億―6兆円にする長期目標も公表した。

アイシンは中長期で車の電動化に対応し、電動ユニットやブレーキ、車の統合制御などにより、22年11月公表値より3ポイント増の18%以上の電費向上を実現する。

主力のイーアクスルは25年度に21年度比約13倍の売上高2400億円、30年度に同5500億円を目指す。27年には既存製品に比べ大きさを2分の1にした「第3世代」をベースに電源や熱マネジメント機能を一体化し、部品点数を低減した新製品「Xin1」を投入する。

EVのボディーになる電池骨格やギガキャストでは30年度に同2000億円を目指す。鉄プレスによる自動車ボディーは50―120部品必要だが、これを1部品に集約。27年には電池骨格とギガキャストを組み合わせ統合ボディーの提供を目指す。

アイシンは今後3年間で収益力強化や資産圧縮を進め、5000億円を捻出、成長領域に振り分ける。人員も25年までの累計で3000人を成長分野に異動させる。14日開いた説明会で吉田守孝社長は「車の電動化や知能化が一段と加速している。電動化を成長領域にするため、事業の構造をシフトする」とした。


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日刊工業新聞 2023年09月14日

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