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ロータリーエンジンで発電、マツダが長距離走行可能なPHV投入へ

ロータリーエンジンで発電、マツダが長距離走行可能なPHV投入へ

マツダのPHV「MX-30ロータリーEV」

マツダは、ロータリーエンジン(RE)による発電で長距離走行するプラグインハイブリッド車(PHV)「MX-30ロータリーEV」を11月に国内で発売する。バッテリーのみを使用する電気自動車(EV)としての走行距離は107キロメートル。これにRE発電電力分を合わせ、カタログ値の単純計算で約800キロメートルの走行を可能にした。消費税込みの価格は423万5000円から。月300台の販売を目指す。

ベースとなるスポーツ多目的車(SUV)「MX―30」はこれまでにEVやマイルドハイブリッド車(MHV)を導入済み。RE搭載のPHVを加え電動車の選択肢を増やす。

MX―30ロータリーEVは走行の全てをモーターで駆動する。電駆ユニットの一部の素材を鉄からアルミニウムに変え、エンジン単体で15キログラム以上軽量化するなど同車両用に新たなREを開発した。

交流(AC)による普通充電と直流(DC)による急速充電の両方式に対応した。充放電設備につなぎ、住宅への電力供給も可能。満充電の電池(容量17・8キロワット時)と、燃料タンク(同50リットル)が満タンな状態でのRE発電を組み合わせることで、一般家庭約9日分の電力をまかなえる。

同車種はすでに欧州で2023年秋に発売することを公表済み。一方、同社が注力する北米市場については「より大きくパワーのある車を好むため投入せず、日本と欧州でのみ考えている」(上藤和佳子商品本部主査)という。


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日刊工業新聞 2023年09月14日

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