井村屋フーズが新工場、粉体加工の生産能力1.3倍
井村屋フーズ(愛知県豊橋市、近藤久嗣社長)は、七根工場(同市)に液体食品を粉体に加工するスプレードライヤー工場を新設し、7日に稼働を始める。工場全体の生産能力は従来比1・3倍の年2700トンになる見通し。健康食品といった機能性素材など粉体事業の拡大に加え老朽設備の更新による二酸化炭素(CO2)排出量低減、作業負荷軽減などを狙う。
スプレードライヤーは醤油や野菜・魚介類のエキスなどに熱風を当てて乾燥し粉体にする設備。工場内にある3棟のうち1棟を更新した。投資額は非公表だが、一般的に同規模の設備構築に十数億円かかるという。
液体の噴霧方式を変えることで生産ロスを削減したほか、空気を直接加熱する方式で約3割ガス使用量を削減。3棟の合計で年間300トンのCO2を削減できる。
同社は井村屋グループの傘下で、食品の製造加工を担う事業会社。近藤社長は「粉体加工ニーズは根強い。主に機能性市場や飲料市場向けに、BツーB(企業間)事業をさらに広げたい」という。
日刊工業新聞 2023年09月06日