コマツが180億円で大阪工場刷新、一貫ライン構築で生産性を大幅に高める
コマツは大阪工場(大阪府枚方市)を刷新する。既存の建機第1―第7工場の建屋を順次解体して新工場を着工。溶接から機械加工、塗装、組み立てまでの一貫生産ラインを構築し、生産性を大幅に高める。ロボット導入などで作業員の負荷軽減にもつなげる。投資額は2025年度までの3年間で合計約180億円。デジタル変革(DX)やゼロエミッション(温暖化ガスの排出実質ゼロ)化への対応も進める。
コマツの大阪工場は主力製品の中大型ショベルを生産するグループ全体のマザー工場に位置付けられている。建機本体に加え、重要部品である終減速機や旋回部品なども一貫生産している。総敷地面積は54万5000平方メートルで、本工場以外に基幹ユニットの組み立て工場やテクニカルセンター、補給部品センター、開発試験エリアなども立地する。
大阪工場の再編により、生産と物流、サプライチェーンの各領域でDXを推進すると同時に、生産時にかかる環境負荷を大幅に低減する。コスト競争力の強化と製品の迅速な市場導入にもつなげる。
これまでに国内主要工場の再編はほぼ完了しており、今回の大阪工場再編で国内全体の供給力や製品開発力を一層高める。
コマツは建機本体の開発機能を持つ工場をマザー工場と称し、新機種の立ち上げやモデルチェンジ時には生産部門と開発部門が一体となって品質や納期、コストを作り込んでいる。大阪工場の再編終了後はその成果を傘下工場にも順次展開し、グローバル競争力強化につなげる方針だ。
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日刊工業新聞 2023年09月07日