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次世代革新炉の開発促す、「常陽」活用で技術基盤強化

次世代革新炉の開発促す、「常陽」活用で技術基盤強化

運転再開に向けて合格となった常陽の炉心上部

文部科学省は次世代革新炉の開発に向けた技術基盤の強化に乗り出す。日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町)が運転再開の安全審査に合格したことを受け、技術基盤を整備する。このほか、高温工学試験研究炉「HTTR」(同)に接続した水素製造の技術開発にも力を注ぐ。文科省は2024年度予算の概算要求額を明らかにしていないが、これらを柱に、23年度の原子力関連予算の総額約1470億円より上乗せして要求する調整に入った。

政府は高速炉を次世代革新炉の一つに位置付けている。常陽は1977年に初臨界を達成し、約7万1000時間の運転実績がある国内唯一の高速実験炉。再稼働に向けてまずは安全対策の工事費を要求する計画。安全対策のための工事に時間を要することから、再稼働の時期が当初より遅れ、26年度半ばとなったが、文科省は再稼働まで継続して予算を要求する方針だ。

隣接する高温工学試験研究炉「HTTR」(同)では、HTTRに接続した水素製造施設の新設計画にも力を入れる。原子力を使ったカーボンフリーな水素の製造方法を構築するため、必要な技術開発など取り組んでおり、要求額が上乗せされる見通し。

また、廃炉が決定した高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)内に新設する試験研究炉については、現地のボーリング調査費用などを盛り込む計画。国内に試験研究炉が作られるのは約40年ぶり。大学が持つ試験研究炉は限定的で、文科省は試験研究炉の新設を通じて、イノベーションの創出と研究開発・人材育成の基盤の維持・強化に引き続き取り組む。

日刊工業新聞 2023年08月23日

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