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核融合炉を小型化、次世代エネルギー実現へ文科省が一手

文部科学省は核融合炉の小型化などに寄与する技術開発を支援するための有識者会議を立ち上げる。高温超電導や高温に耐えられる材料など、量子科学技術研究開発機構(QST)が取り組んでいないテーマを想定。海外のスタートアップは同様の技術開発を進めており、文科省は支援を通じて核融合発電の早期実現につなげる。

有識者会議の初会合を近く開催する。8月までに中間取りまとめを行う。

検討するのは高温超電導コイルなど核融合炉の小型化につながる技術。このほか、高温プラズマに耐え得る材料や、プラズマを制御する人工知能(AI)などを想定する。

ムーンショット型研究開発事業の活用を検討する。国内の核融合研究者のほか、物質・材料研究機構(物材機構)やAIの研究者の参加を想定する。これまで核融合になじみのない研究者を巻き込み、核融合研究の裾野を広げたい考え。海外のスタートアップなどとの協力も想定する。

また、今回のプログラムで開発する技術について、発電能力を実証する原型炉の開発にも生かす考えだ。

海外では米コモンウェルス・フュージョン・システムズや英トカマク・エナジーが高温超電導コイルを開発中。小型化を実現することで発電コストの低減を目指している。

文科省はQSTによる着実な研究成果の積み上げと、挑戦的な技術開発を両輪で進めることで、実用化を後押しする。

核融合発電は重水素と三重水素の原子核をプラズマでぶつけて核融合反応を起こし、生じた熱を使い発電する。発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない次世代エネルギーとして期待される。

日刊工業新聞 2023年06月23日

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