トヨタなどとシステム確立、パソナ・パナソニックが提案する「効果別のオフィス緑化」とは?
やる気向上やリラックス
パソナ・パナソニック ビジネスサービス(PBS、大阪市中央区、佐野克也社長)は、オフィス緑化ソリューション「コモレビズ」で、植物の種類・構成により人間に異なる効果をもたらす新たな設計提案を始めた。植物の葉のサイズや曲線性などで多様な効果を分類する「植物分類システム」(特許出願中)をトヨタ自動車などと確立している。これに基づき「活力の向上」「集中力の向上」「癒やし効果」といった異なる効果が期待できる空間づくりを行う。
植物分類システムは縦軸に葉のサイズの大小、横軸に葉の曲線性/直線性を設定し、人間にもたらす異なる効果をマッピングしたもの。サイズが大きくて曲線性がある植物は主に活力向上が期待できる。比較的に大きくて直線性のあるタイプは集中力を高める効果。葉が小さく曲線性があるものは癒やし効果に優れるとしている。
コモレビズでは自然と触れ合うと人間が安らげる「バイオフィリア理論」を基に独自の空間ソリューションを提供。空間でストレス軽減し、生産性が高まる植物の量を1人当たりの視界の緑化率「緑視率」として実証研究から10―15%と定めて植物の配置や音響効果などを加えて設計している。これに植物分類システムを組み合わせて、顧客の求める効果に応じた空間を造り分けるようにできた。
PBSは2017年にコモレビズの事業を開始。19年にはトヨタと、豊田中央研究所(愛知県長久手市)で緑化空間の効果に関する共同研究を始めた。この成果の一つとして植物分類システムを確立した。現在、企業での出社率が回復傾向にある。社員のモチベーションや満足度を高める「ウェルビーイング(心身の健康)経営」の一環としてオフィス緑化の需要が高まっているという。
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日刊工業新聞 2023年08月07日