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キヤノンが開発、リサイクルするプラスチックを選別する技術の中身

キヤノンが開発、リサイクルするプラスチックを選別する技術の中身

トラッキング型ラマン分光技術を導入したプラスチックの選別で使用する非接触測長計(左)とガルバノスキャナー

キヤノンは、リサイクルにおけるプラスチック片の種類を選別する際、黒色プラスチック片とその他の色のプラスチック片を高精度に同時選別できる「トラッキング型ラマン分光技術」を開発したと発表した。

レーザー光をプラスチック片に照射し、物質の分子情報を取得する測定法であるラマン分光法と、キヤノンの計測・制御機器を組み合わせることで選別の効率性を高め、再利用できるプラスチック量を増やす。製品化を進め、2024年上期にトラッキング型ラマン分光技術を導入したプラスチック選別装置の発売を予定する。リサイクル事業者に訴求していく。

同技術は、高速に動くベルトコンベヤー上のプラスチック片の正確な位置を把握してレーザー照射位置を走査することで、各プラスチック片の選別に必要な時間のレーザー光を照射し続けられる点が特徴。高速にプラスチック片が搬送される中でも、ラマン分光法の課題であるプラスチック片の色の違いによる散乱光量の差をレーザー光の走査時間で解決する。これにより高生産性と高精度の両立につなげる。

日刊工業新聞 2023年07月13日

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