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業界最高水準、キヤノンが開発した監視向け「CMOSセンサー」の性能

キヤノンは監視用途に適した相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサーの新製品(写真)を開発した。表現できる明暗の幅であるダイナミックレンジは148デシベルで、同社によると監視カメラ向けとしては業界最高水準。明暗差の大きい環境でも高画質な画像を得られる。早期の製品化を目指す。

開発したCMOSセンサーは外部から取り込んだ光を電気信号に変換する画素と、演算を行う中央演算処理装置(CPU)部分を2層に分けた積層型。画素とCPUが同じ基板上に置かれた場合に比べ、より多くのCPUや専用回路を搭載できる。処理能力が高まり、被写体が動いても高精度な画像を撮影しやすくなった。

明暗差の多い環境で撮影する場合、通常は露光時間を変えた複数の画像を合成処理して明暗差を補正する。ただ露光時間の異なる画像を組み合わせるため、動いている被写体は何重にも重なり、ぶれたように見えてしまう課題があった。

キヤノンが今回開発したCMOSセンサーは画面を細かく分割し、各領域ごとに露光条件を変える「領域別露光」を採用。合成処理が不要なため、被写体がぶれる心配がない。地下駐車場の出入り口で車両のナンバープレートと運転者の顔を同時に認識したりするなど、監視カメラの性能向上に寄与できる。


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日刊工業新聞 2023年01月20日

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