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EV部品で攻勢かける、サンコールが12億円投資で開発拠点

EV部品で攻勢かける、サンコールが12億円投資で開発拠点

サンコールの磁気式センサー

サンコールは京都府亀岡市に開発拠点を2024年度に新設する。シャントバスバーやシャントセンサー、磁気式センサーなど電流センサー事業を強化する。投資額は約12億円。また欧州に販売子会社を設立し、月内に稼働する。電流センサーは電気自動車(EV)のバッテリー制御システムなどに使用され、需要拡大が見込まれる。同社は電流センサー事業を成長戦略の柱と位置付けている。

開発の新拠点は亀岡市の篠企業団地内に建設し、24年9月の稼働を目指す。京都南工場(京都市南区)から電流センサーの開発機能を移管するとともに、検査装置などを新たに導入。シャントバスバーへのセンサー基板の実装や磁気式センサーの組み立て、機能の検証、新製品の開発なども行う。

センサー用基板の内製化や、電流センサーの新生産拠点の整備も検討しており、同センサーの生産能力を25年までに現状比7倍に引き上げる。 

サンコールがドイツに設けた新会社が入居するオフィスビル

一方、販売面ではドイツのミュンヘンに電流センサーの販売子会社を設立した。これまで欧州ではフォークリフトや無人搬送車(AGV)などで受注実績はあったが、今後はEV普及が加速すると予想されるため、同社にとって初めての欧州拠点を新設するなど販売体制強化によって自動車メーカーや1次下請け会社(ティア1)からの受注を目指す。

電流センサーは電動車のバッテリーとインバーターを接続するバスバーなどに搭載。EVに搭載する電池の充放電管理に使用され、自動車や建設機械などの電動化の進展で需要拡大が予想される。

同社は30年に電流センサー事業の売上高を現状比約27倍の64億円に伸ばす計画で、そのうち25%に当たる約16億円を欧州が占める見通し。


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日刊工業新聞 2023年月7月4日

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