EV市場を狙う中堅部品メーカーの新事業戦略

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世界で需要拡大が期待される電気自動車(EV)など電動車に照準を合わせ、中堅部品メーカーが相次ぎ新事業を拡大する。アーレスティは2024年にもEV向け駆動モジュール「eアクスル」関連事業に参入。サンコールは電動車の配電に使うバスバーの生産能力を倍増する。三桜工業は電動車の電力を適切に制御するパワーコントロールユニット(PCU)の冷却配管システムを開発する。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の潮流による技術変化を商機と捉え、次世代車向けで成長を目指す。

eアクスルは駆動モータやインバーター、ギアを同一の筐体(きょうたい)に収納して一体化した製品。富士経済(東京都中央区)によるとeアクスル世界市場は35年に19年比54・3倍の1250万台に拡大する見通し。

アーレスティ eアクスル参入

アーレスティはエンジン部品やトランスミッション部品などが主力。独自技術を生かし、eアクスルの筐体をアルミニウムダイカストで製造する。グローバル供給体制を強みに、完成車メーカーやティア1(1次部品メーカー)に売り込む。

同社はeアクスル関連事業を軸に電動車搭載部品の売上高で25年度に300億円超を見込む。自動車部品事業の売上高に占める電動車向け比率を25年度に20年度比19ポイント増の30%に高める計画だ。

サンコール バスバー2倍増

一方、サンコールは1億―2億円を投じて広瀬工場(愛知県豊田市)に電動車の配電に使うバスバーの中・長尺タイプの新ラインを増設し、22年4月に量産を始める。このほど日系メーカーへの採用が決まった。

バスバーはバッテリーやインバーター、モーターなどの間で電気を流す際、これらをつなぐ部品。同用途のワイヤハーネスに比べて省スペースで設置できる。同社は精密加工技術を駆使し、少量・多品種への対応が可能。ユニットの形状に合わせ、サイズ、形状、数量に柔軟に対応できるのが強み。

バスバーとシャント抵抗器を一体化しリチウムイオンバッテリーの電流を検出する同社の「シャントonバスバー」も、北米自動車メーカーのEV向けに採用された。全社売上高のうちEV関連製品の売上高比率を31年3月期に20年3月期比で約11ポイント増の15%に引き上げる計画だ。

三桜工業 電力制御器に冷却配管

また、三桜工業は熱交換器や冷媒配管の知見を生かし、PCUの冷却システムの設計、関連部品の製造に乗り出す。同社はスーパーコンピューター「富岳」の冷却回路に樹脂製配管が採用された技術力を訴求する。車、通信機器向けを合わせ、新規の冷却配管システム事業で30年度に売上高500億円を目指す。

日刊工業新聞2021年9月8日

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