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中外製薬が「チャットGPT」を業務に導入。期待される分野は?

中外製薬が「チャットGPT」を業務に導入。期待される分野は?

創薬研究に生成AIを活用(イメージ)

中外製薬は全社業務に生成人工知能(AI)「チャットGPT」を導入する。6月から数百人規模を対象にしたトライアルを開始しており、7―8月中にも全社展開を予定する。奥田修社長は「コーポレート業務の効率化が進むと期待している。創薬力を含め全プロセスの生産性向上につながり、競争優位性を構築できると考えている」と説明した。

チャットGPTの導入は、創薬研究や本社機能など全業務が対象。導入後、どの業務でどの程度使えるかなどは、検証しながら実装していくという。

創薬研究における生成AIの活用について奥田社長は「チャットGPTが得意なのは情報整理。仮説は人が立てて、チャットGPTでまとめるといった使い方ができる」とし、人とAIが融合した創薬の実現を目指す。自社が持つ研究データなどを活用し、創薬の効率化につなげる。

中外製薬ではデジタル変革(DX)を成長戦略の中核に位置付け、組織改革や人材育成などに力を入れる。また、AIを活用して抗体医薬品の基となる「リード抗体」の特定が実現するなど、創薬の成功確率の向上や革新的な新薬の創出に取り組む。チャットGPT導入でさらなる創薬力強化を狙う。

日刊工業新聞 2023年06月30日

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