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初のスタートアップ健保…来年度発足へ、330社申し込み

スタートアップで働く人を支援する初の健康保険組合が2024年度にも発足する。準備組織である一般社団法人VCスタートアップ労働衛生推進協会(東京都大田区、吉沢美弥子代表理事)が、厚生労働省と協議しているもので、現在までにベンチャーキャピタル(VC)27社が支援を表明した。その投資先のスタートアップ330社以上がすでに新健保への入会を申し込んでいるという。

経済成長の担い手として注目されるスタートアップだが、社員の健康増進や疾病予防の取り組みは大企業に比べ十分ではない。赤字企業も多く、健保組合に入るのが難しいケースもある。吉沢代表理事によれば従業員の平均年齢は20―30代で、裁量労働やエンジニア中心に長時間労働も見られるため、生活習慣病やがん予防に比べ、メンタルヘルス関連や出産育児への対応がより求められるという。

こうした背景から政府の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」にも、スタートアップ支援策の一環として健保組合設立が盛り込まれた。

独立系VCのコーラルキャピタル(東京都千代田区)出身の吉沢代表理事は「健保運営に関わる業務の電子化・デジタル化を進め、保険料引き下げにつなげるほか、ヘルスケア関連のスタートアップと連携し会員にオンライン診療・リハビリのサービスも提供したい」と話す。

日刊工業新聞 2023年06月30日

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