半導体ガス長距離輸送、ジャパンマテなど鉄道併用を実証する狙い
ジャパンマテリアルは26日、JR貨物、日本トランスシティと共同で半導体製造用ガスの長距離輸送の実証実験を始めたと発表した。主要顧客の半導体工場が立地する三重県と岩手県間の輸送において従来のトラック輸送に代わる貨物鉄道との併用輸送の可能性を検証する。二酸化炭素排出量削減に加えて、物流の2024年問題の解決に資する試みだ。
今回の実証実験はJR貨物が三重県の四日市駅から岩手県の水沢駅まで半導体工場で使う材料ガスの輸送を担当する。現状はトラック輸送のみで供給していた。24年からトラック運転手に対して残業時間の上限規制が新たに導入されることから、輸送能力の低下が懸念されている。
一方で現在、北は北海道から、南は熊本県まで大規模な半導体工場の建設計画が相次ぐ。今後は半導体材料の国内輸送が急増していくことが予想される。これは日本全体の問題であり、半導体メーカーなど会社の垣根を越えたモーダルシフトへの理解・協力が不可欠となる。
【関連記事】EV向け需要を狙うフェローテック、半導体基板の生産能力を2倍以上に!
日刊工業新聞 2023年月6月27日