ニュースイッチ

鹿島が建設現場の時間外労働削減へ、支援人材1.4倍に拡充

鹿島が建設現場の時間外労働削減へ、支援人材1.4倍に拡充

施工管理の周辺業務や事務作業を担う人材を増やす(イメージ)

鹿島は建設現場における時間外労働の削減に向け、施工管理や事務作業をサポートする専門人材を拡充する。2023年から段階的に増やし、25年に現状比1・4倍の160人を確保。各種検査や飛行ロボット(ドローン)、ロボットの導入、官庁への提出資料作成といった業務の支援体制を整え、社員の業務負担を軽減する。担い手不足の問題や24年4月に迫る時間外労働の上限規制適用にも対応する。

鹿島は建設現場の業務支援を目的として、19年に設立したグループ会社「One Team」(東京都港区)で施工管理の周辺業務や事務作業を担う人材を増やす。主に本支店で一般事務を担う派遣社員を対象に、本人の希望や適正、派遣元との調整などを踏まえて正社員として採用。海外法人や日本国内で活躍する外国人材、社内外のシニア人材も積極的に採用する。

One Teamが支援業務の一つと想定する配筋検査の場合、大きく「現場での照合に用いるタブレット端末に設計図書を取り込む準備作業」や「照合後の写真を整理する作業」を引き受ける。これにより、鹿島の現場社員による業務を「現場で設計図書と現物を照合・確認する作業」のみと約80%低減。他の主要業務に集中する時間を捻出しやすくする効果を見込む。

One Teamでは女性や60歳以上、外国籍などの約200人が働く。このうち約110人を鹿島の建設現場に派遣しており、この層を段階的に増やす。23年は130人、24年には145人を計画するが、上振れも想定する。伊藤仁社長は「工夫だけで足元の問題を解決するのは難しく、結局は人。人件費の高騰も見据え、この1年でどれだけ確保できるかがカギ」と話す。

また、鹿島からOne Teamへの業務委託も拡大する。配筋検査の準備や現地でのサポート、RPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)や顔認証システムの構築などを支援。作業員用スマートフォン「Kモバイル」や、資機材の位置や状況、作業員の動きやバイタル情報を3次元でリアルタイム表示する「3D Kフィールド」の運用なども後押しする。

One Teamは鹿島グループとして、当面は鹿島による建設現場への人材派遣や業務受託を事業の核に位置付ける。現在の建築領域に加え、近く土木領域への展開も計画する。中長期では、ゼネコン他社にも施工管理や検査補助、現場事務・工務補助、ITツール支援など各種業務での提案を強化。建設現場の効率化と高度化、省力化を進められる優位性を訴求する。

日刊工業新聞 2023年06月21日

編集部のおすすめ