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JPCが車載電池向け設備製造に参入、「100年に一度の変革期」で将来性模索

JPCが車載電池向け設備製造に参入、「100年に一度の変革期」で将来性模索

JPCの宮崎工場。1億円程度を投じステンレス板金・製缶ラインの新設を目指す

JPC(愛知県豊田市、大橋勇志社長)が、車載電池工場で使用する設備の製造への本格参入を計画していることが分かった。電気自動車(EV)向け蓄電池を製造する過程で必要になるステンレス製の濾過装置や洗浄機を製造・供給する。宮崎工場(宮崎県西都市)で寄せ止めを実施し、空いたスペースを車載電池向け設備の生産に充てる。1億円程度を投じ、2024年夏をめどに同工場にステンレス板金・製缶ラインの新設を目指す。

JPCは自動車メーカーや自動車部品メーカー向けに、クーラントタンクなどの濾過装置や洗浄機といった製造現場で使用する設備を供給する。自動車業界は車の電動化を含め「100年に一度の変革期」に入っている。同社も将来につながる事業の柱を模索し、電池工場向け設備の供給に乗り出す。既存の設備製造で培った技術を駆使し、電池の原材料を混ぜ合わせる工程で必要となる濾過設備などの供給を目指す。

宮崎工場はクーラントタンクを手がける工場として稼働。20年9月から作業環境改善、多能工化による平準化、作業原単位の追求などトヨタ生産方式の基本理念を取り入れた。工場で働く人に重点を置いた生産性活動に取り組んだことで、生産性4割向上、リードタイム3割短縮を達成した。

これにより宮崎工場内の第一工場の設備を第二工場に寄せ止めすることができた。23年4月の子会社との合併により、専用機の生産も行う。宮崎県内の大学や高校などにもアピールし、人員の確保も進める。

JPCは4月にクーラントタンクを製造するジェイピーシー(愛知県豊田市)と洗浄機を手がけるAQUA・J(同)が合併し、誕生した。合併に伴い組織の最適化を進め余力を生み出し、社員数人を車載電池を製造する企業に出向させている。

同社はクーラント液の管理や切削切り粉の回収・運搬など機械加工にまつわる「バックヤード」の課題解決が強み。電池工場でも同様の裏方工程を一手に引き受けることを目指す。

日刊工業新聞 2023年06月21日

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