パナソニック、戦略投資で上積みする900億円の使い道
パナソニックはパナソニックホールディングス(HD)傘下の事業会社として再編後初の2022―24年度の中期戦略で、設備投資や研究開発投資などの戦略投資を当初予定から900億円上積みする。特に環境意識の高まりから欧州で需要拡大が続くヒートポンプ式温水給湯暖房機(A2W)の増産投資を拡大し、チェコ工場の増強に450億円を投じる。HDが掲げる25年度のチェコ工場55万台生産体制に対応する。
パナソニックはパナソニックHD傘下で生活に関わる「くらし」分野を担う事業会社。空質空調設備は同社の事業で中長期的に最も高い成長と収益を見込む。他に海外電材の増産や水素エネルギーの研究開発投資なども行う。品田正弘社長は「国内の電材や白物家電などの安定収益事業の営業キャッシュフロー(CF)から空質空調や海外電材など成長事業の投資CFへ振り向けるなどして投資を実行していく」考えを示した。
空質空調設備はグループ全体でも車載電池に次ぐ位置付けの事業の一つ。ただHDによる24年度までの投資はほぼ全額を車載電池に振り向けており、同事業へはパナソニックの収益から投資を行う形をとる。
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日刊工業新聞 2023年06月05日