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三菱自動車「ガソリン車」開発終了への道筋、脱エンジンで2030年メド

三菱自動車「ガソリン車」開発終了への道筋、脱エンジンで2030年メド

三菱自は電動車の開発を加速する(PHV「アウトランダー」)

三菱自動車は2030年までにガソリンやディーゼル燃料のみで走行する新型車の開発を終了する。ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の開発は続けるが、35年以降は電気自動車(EV)が中心になると予測。主力の東南アジア諸国連合(ASEAN)市場の動向を注視しつつ、脱エンジンにかじを切る。

三菱自は世界で強化される燃費規制などを踏まえ、自動車市場では20年代後半までガソリン車、HV、PHV、EVが混在し、30年代中旬以降はEVが主体になるとみる。30年までにガソリン車の新型モデルの開発を終える方針。

三菱の電動車販売比率

足元の世界販売台数の約3割を占めるASEAN市場や、同約1割を占める中東やアフリカ市場では、27年度までに電動車7車種を含む12車種の新型車の投入を予定する。主力のピックアップトラック「トライトン」のEVモデルも開発する。

充電インフラ不足などからEVシフトの遅れが指摘される中東やアフリカ市場には地域専用車ではなく「(経営リソースを重点的に配分して開発した)ASEAN向け商品の展開が可能」(幹部)と判断。ASEAN向け車種を展開してシェア拡大を図る。

EVシフトが進む欧州、中国、北米市場は、連合を組む日産自動車や仏ルノーとのアライアンスも活用しながら電動車の品ぞろえを拡充する。

三菱自は内燃機関の開発を縮小する一方、30年度までに電動車の研究開発や設備に最大1兆8000億円を投じる。うち2100億円を車載電池の調達に振り向け、30年までに年15ギガワット時規模の容量の電池も確保する。EV、HV、PHVといった電動車の販売比率を30年度までに50%、35年度までに100%に引き上げる方針だ。


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日刊工業新聞 2023年月5月9日

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