パナソニックエナジー、北米第3電池工場立地を年度内決定
パナソニックエナジーは1日、北米で3番目となる車載電池の新工場の立地を2023年度中に決定すると明らかにした。30年度までの目標である世界での生産能力200ギガワット時の達成に向け、ネバダとカンザスの両工場と同程度の能力を予定しており、30ギガ―40ギガワット時の能力とみられる。稼働時期は未定。車載電池事業の売上高は22年度の6500億円から約3・8倍の30年度に2兆5000万円を目指す。
新工場は大型の「4680」向けで、和歌山工場(和歌山県紀の川市)で確立する製造ノウハウを投入する。4月に工場設置の補助金の支給条件となる契約を結んだオクラホマなど複数の候補地から選定を進める。同日、オンライン説明会を行ったパナソニックエナジーの只信一生社長は資金調達について「(親会社の)パナソニックホールディングスとさまざまなオプションを議論している」と説明した。ネバダとカンザス2工場の生産能力は計80ギガワット時のため、さらに増強が必要な状況。只信社長は「30年度までの必要なタイミングで新たな決断をする」と北米で4番目の工場設置も示唆した。
一方、生産工程の効率化や電池の高容量化でも生産能力の確保を行う。ネバダ工場は25年度に生産能力を10%向上させる。カンザス工場はネバダ工場に比べて1ギガワット時当たりの必要な人員を20%抑制し効率化する。
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日刊工業新聞 2023年06月02日