国内外で販売好調の三菱自動車、けん引する2つの車種
三菱自動車の新型車の売れ行きが国内外で好調だ。日本では2021年12月16日に発売したスポーツ多目的車(SUV)「アウトランダー」のプラグインハイブリッド車(PHV)モデルの新型車(写真)の受注が1月20日までに9000台を超えた。1月末までの販売目標の約3倍の水準という。インドネシアでは21年11月に大幅改良した多目的車(MPV)「エクスパンダー」の受注が12月末までに1万台に達した。
新型アウトランダーは質の高い内外装や、航続距離が延びた電動車としての走行性能などが評価された。新型エクスパンダーは商品性への高い評価が、インドネシアで21年12月末まで延長された奢侈(しゃし)税の減免措置の効果も取り込み、同国での販売シェアを3位に押し上げる要因となった。
両車種は収益性が良く「販売の質の改善を後押している」と矢田部陽一郎副社長は説明する。一方、課題は半導体不足に伴う車の減産への対応。新型アウトランダーは日本で現在の納期が約5カ月と長期化している。オーストラリアでは同車のガソリン車モデルを21年11月に発売し、「既に7000―8000台の受注があるが、(納期は日本と)同じような状況」(同)という。好調な販売を維持できるか、調達を含めたモノづくりの力が試される。
日刊工業新聞 2022年2月4日