三井住友は7割増・三菱UFJは5割増…メガバンクが中途採用の大幅増で獲得したい人材
メガバンクは2023年度の中途採用数を大幅に引き上げる。三井住友銀行は、23年度に22年度比7割増となる約170人まで採用数を拡大する。三菱UFJ銀行も同5割増の約200人を採る。22年度に326人を採用したみずほグループ主要3社は、23年度に同水準以上を採用する計画。新卒に偏向していた採用方針を転換し、デジタル領域をはじめとする中途専門人材の採用を急ぐ。新たな金融サービスの開発やビジネスモデルの変革につなげる。
大手銀行各社が中途採用の拡大を鮮明にしている。23年度の中途採用数は、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほフィナンシャルグループ(FG)、みずほ銀行、みずほ信託銀行で700人を超える見込みだ。
22年度の中途採用数は、21年度比約3・3倍(393人増)となる565人。23年度は22年度からさらに100人以上増えることになる。2年連続で大幅増となる。
特に採用を増やすのがデジタル領域。三井住友銀行ではIT戦略企画、グループ全体の法人・個人向けデジタルビジネスなどの職務を募る。三菱UFJ銀行でもアプリケーションエンジニアやデジタルマーケティングなど幅広い職種を募集する計画。
デジタル領域の採用を拡大する背景には、銀行業界をめぐる事業環境やビジネスモデルの変化がある。銀行業界は決済や諸手続きのオンライン化が急速に進み、ウェブを通じた顧客との接点が増加。サービスのデジタルシフト、サイバーセキュリティーへの対応などが求められている。
加えて、銀行法改正でITシステムの販売やデータビジネスなど銀行ができる業務が拡大。デジタルやデータ領域で新たな収益源をいち早く獲得するために、即戦力となる人材の採用を急いでいる。
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日刊工業新聞 2023年04月13日