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いすゞがピックアップEVモデルを開発する狙い

いすゞがピックアップEVモデルを開発する狙い

いすゞのピックアップトラック

いすゞ自動車はピックアップトラック(LCV)「D―MAX」の電気自動車(EV)モデルを開発する。欧州連合(EU)の環境規制強化を見据え、2025年以降にタイで生産を始め、欧州に輸出する方針。LCVは郊外の長距離走行などに使われることが多く当面はディーゼルエンジン車が主流とみられるが、カーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向けてEVの技術開発を急ぐ。

泰国いすゞ自動車(サムットプラーカーン県)の既存ラインでディーゼルとEVモデルを混流生産する方向だ。需要が年間数万台規模に広がれば、新規投資を検討するという。当初のEVモデル生産台数は年数百台規模とみられる。

EUは35年にゼロエミッション車以外の販売を原則禁じる。いすゞはEU各国で個別の政策を打ち出す可能性があるとみており、それぞれに迅速に対応できるよう、EVを含めて多様なパワートレーン(駆動装置)を検討する。

いすゞのピックアップトラックを含むLCV事業の欧州向け販売台数見通しは23年3月期で1万9000台(LCV全体の約4・5%)。農地や工事現場への配送用途など中長距離走行で使用されることが多い。

充電設備などインフラ整備を鑑み、いすゞはEVモデルの本格普及は30年以降とみる。当面は現行のディーゼルエンジン車を主力とし、欧州各国の環境方針を注視する。

ピックアップトラックでは、トヨタ自動車も開発中の「ハイラックス」のEVモデルを23年にも発売する計画。まずタイに投入し、需要に応じて販売地域を拡大する構えだ。

日刊工業新聞 2023年月4月25日

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