出荷停止の日野自動車は5割減も…トラック販売は回復局面か
国内トラックメーカーの販売が、半導体不足などによる生産制約で台数が減少する状況から、回復局面に移りつつある。トラック業界関係者がまとめた3月の普通トラック(積載量4トン以上の大型・中型トラック)の販売台数は、前年同月比5・1%増の7521台となり、17カ月ぶりに前年同月比でプラスに転じた。一方、原材料やエネルギー価格上昇といった課題による受注への影響など不安は拭えない。
型式指定の取り消しによる出荷停止が影響し、日野自動車が前年同月比51・6%減と台数を大きく落としたが、同社を除く3社がマイナス分を補った。中型トラックでは三菱ふそうトラック・バスが同2・8倍の277台、大型トラックではいすゞ自動車が同74・0%増の2368台と台数増をけん引した。三菱ふそう、いすゞの広報担当者はともに「半導体不足は2022年の一時期に比べ解消されている。4月以降さらに良くなっていくのではないか」と見通す。
一方でウクライナ危機などは懸念材料となり、各社とも予断を許さない状況が続きそうだ。
「原材料、エネルギー、物流価格上昇による受注への影響も考えていかなければならない」(三菱ふそう)と漏らす。
22年度の普通トラックの販売台数は、半導体や部品供給の逼迫(ひっぱく)が通年で影響し、前年度比28・8%減の5万5041台となり、3年連続で前年度実績を割り込んだ。
日刊工業新聞 2023年04月05日