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回復傾向のトラック販売、日野自動車は「大型」7割減の苦難続く

回復傾向のトラック販売、日野自動車は「大型」7割減の苦難続く

日野自の大型トラック「プロフィア」(同社提供)

トラック業界関係者がまとめた2月の普通トラック(積載量4トン以上の大型・中型トラック)の販売台数は、前年同月比10・6%減の4776台と、16カ月連続で前年同月の実績を割り込んだ。いすゞ自動車三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスの3社は、大型、中型ともに前年同月の販売実績を上回り、大型、中型の3社合計では前年同月を20%弱超えた。ただ、日野自が販売台数を大きく落としたため、4社合計では前年同月を下回る結果となった。

前年同月は、半導体不足や新型コロナウイルス感染拡大による生産調整が響き、各社販売台数を大きく落とした。日野自を除く3社は、その反動が出た格好だ。

大型トラックでは、型式指定の取り消しによる出荷停止が影響して日野自が前年同月比71・2%減となった一方で、いすゞが同21・4%増、三菱ふそうが同9・1%増、UDが同18・5%増だった。

中型トラックでも型式指定が取り消されている日野自が同25・6%減だったものの、いすゞが同10・9%増、三菱ふそうが同69・8%増、UDが同35・7%増と3社が上向いた。

日野自を除く3社は、2022年12月―23年2月の3カ月間の販売台数の合計でも、前年同期の販売台数の合計を上回った。半導体をはじめとする生産制約によって販売台数が減少する状況から、徐々に回復局面に移りつつある。

日刊工業新聞 2023年03月09日

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