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パナソニックコネクトが「被覆アーク溶接機」交流機の受注を打ち切るワケ

パナソニックコネクトが「被覆アーク溶接機」交流機の受注を打ち切るワケ

直流機による溶接

パナソニックコネクトは被覆アーク溶接機を直流機に一本化し、販売の8割を占める低価格の交流機の受注を9月末をめどに打ち切る。直流機は交流機に比べて消費電力が少ない。置き換えを進め、ユーザーの二酸化炭素(CO2)排出量削減につなげる。パナソニックグループ全体で推進する環境方針「パナソニックグリーンインパクト」の一環。

被覆アーク溶接機は被覆材を被せた溶接棒と母材の間でアーク放電を発生させる仕組み。一般的な手棒溶接として幅広く使われている。構造がシンプルで低価格の交流機が主流だが、構造的に力率が低く消費電力が大きいことが課題だった。一方、直流機はインバーター制御のため軽量で低消費電力だが、構造は複雑で価格は高い。

パナコネクトは3月に投入した新機種から直流機に一本化。交流機は従来モデルとして残るが、10月以降はメンテナンスのみの対応とする。

新機種「DS2」シリーズでは、同社従来の交流機に比べて使用時の消費電力を27%低減。待機電力の消費も抑えられる。オプションで起動スイッチを今回から追加。起動時の待機電圧出力と溶接後の自動停止ができ、直流機の特徴である安全性と省エネルギー性の向上を実現した。

日本では低価格の交流機が主流だが、海外では金属の種類によって極性を選べる直流機が主流だ。直流機は初期費用はかかるが、電気代などランニングコストを抑えられる。軽量で感電リスクが低い点やアークの安定化、延長ケーブルを使っても電流の減衰が起きないなどの利点も多い。


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日刊工業新聞 2023年04月13日

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