ニュースイッチ

家庭用コンセントで充電できる「1人乗り超小型EV」の実力値

KGモーターズが投入へ
家庭用コンセントで充電できる「1人乗り超小型EV」の実力値

「大阪オートメッセ2023」に出展した「ミニマム モビリティ」のコンセプトモデル

KGモーターズ(広島県東広島市、楠一成最高経営責任者〈CEO〉)は、開発中の1人乗り超小型電気自動車(EV)「ミニマム モビリティ」を2025年3月に市場投入する。初年度は300台の販売を目指す。搭載するバッテリーは国内外からの調達や、協力企業の工場を間借りした自社での生産も視野に入れる。車両は消費税込みの価格で100万円を切ることを目指す。

ミニマム モビリティは全長2450ミリ×幅1090ミリ×高さ1500ミリメートル。「ミニカー」の区分に該当し、車検が必要ないことから車両の維持費を抑えられる。

家庭用コンセントから充電ができるため、専用設備も不要。現在のコンセプトモデルの航続距離は、5時間の充電で100キロメートルを達成した。

同社は22年設立のスタートアップ。通勤などの決まった距離を移動するモビリティーの需要を見込み、超小型EVの開発に特化する。今後は量産を見据えて、バッテリー搭載位置の再考やボディーの軽量化に着手する。楠CEOは「少人数の小さいスタートアップなのでスピード感を持ってやっていく」と語る。

大手自動車メーカーも短距離移動の需要拡大に合わせて、超小型EVに力を入れている。トヨタ自動車は21年に2人乗り超小型EV「シーポッド」を発売。同社子会社のトヨタ車体は「コムス」を手がける。海外では仏シトロエンが「アミ」を投入した。

矢野経済研究所(東京都中野区)によれば、電動ミニカーや超小型モビリティーなどの「次世代モビリティー」は、国内販売台数が25年に20年比約20倍の1万1350台まで拡大するとしている。

日刊工業新聞 2023年02月16日

編集部のおすすめ