リーマン・ショック後最長…9カ月連続で増加した企業倒産、さらに増勢か
帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が8日発表した1月の倒産件数は、TDBが前年同月比13・3%増の546件、TSRが同26・1%増の570件だった。TDBは9カ月連続で、TSRは10カ月連続で前年同月を上回った。TDBの9カ月連続の倒産増加はリーマン・ショック後で最長となった。
負債総額はTDBが同25・3%減の507億6900万円、TSRが同15・5%減の565億2400万円だった。件数が増えた一方で金額は減少し、企業倒産の小規模化が進んだ形だ。
業種別ではサービスがTDBで同19・2%増の143件、TSRが同29・0%増の182件だった。製造業がTDBで同34・8%増の62件、TSRが同76・1%増の74件。
主因別では、TDBによると「不況型倒産」が同12・4%増の436件で9カ月連続で増加。地区別倒産件数では、TSRによると全国9地区のうち東北を除く8地区で前年同月を上回った。関東が同1・5%増の200件。
TDBは今後の見通しを「今春にピークを迎えるコロナ融資の返済に加え、原材料価格高騰などの懸念もあり、3月以降に企業倒産の増勢が強まる可能性はある」とみる。
日刊工業新聞 2023年02月09日