大林組が木材製販大手を子会社化した狙い
大林組は、木材製造販売大手のサイプレス・スナダヤ(愛媛県西条市、砂田和之社長)と資本提携し、連結子会社にした。ビルなど非住宅分野の木造木質化建築で大きな課題であるコスト高の解消を狙う。中長期には非住宅の木質化建築で不可欠なサプライチェーン(供給網)を強固にすることに取り組む。
株式譲渡は2月1日に実施。大林組の株式取得比率は46・1%で、支配力基準により連結子会社となった。
サイプレス・スナダヤは1892年に創業し、資本金は2000万円。国産ヒノキ材製品製造の最大手で、21年度売上高は114億円。原木から製品に一貫生産できる大型機械を持ち、高い加工技術、大規模な生産能力、価格競争力を備える。
また、木造木質建築で普及が進むCLT(直交集成板)分野では、国内最大級の幅3メートル×長さ12メートルの原板を製造できる設備を持つ。
両社は協力して製品開発や販路拡大を共同で展開し、高品質な製品を競争力ある価格で安定供給することを目指す。大林組は脱炭素社会への取り組みの一環で、大規模建築のノウハウを生かし非住宅分野で木造木質化建築を推進している。
日刊工業新聞 2023年02月03日