ニュースイッチ

大林組がZEB認証取得、木造「建設現場事務所」の全容

大林組は、神戸市で手がける建設現場に木造の仮設現場事務所(イメージ)を完成し、ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)認証を取得した。成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収した木材を利用。さらに太陽光発電や高断熱・高気密な内装、高効率な設備機器などを導入することによる創エネルギー・省エネルギー効果を組み合わせ、工事全体の電力消費に伴うCO2排出量を約2割削減した。

同社が岩谷産業から受注した「研修施設計画」で、建設現場に設置する事務所を従来の軽量鉄骨造から木造に改めた。木造の仮設現場事務所におけるZEB認証の取得は、国内で初めてという。建屋や太陽光パネルは、使用後に他の建設現場に転用する。大林組が大分県で製造したグリーン水素を活用し、水素燃料電池から現場事務所に電力を供給する実証にも取り組む。

また、同現場では施工段階のCO2を削減する試みも検証する。アセチレンガスに比べCO2を84%削減できるハイドロカット(溶接ガス)や、建機の燃料として軽油より8%程度CO2を削減できるガス・ツー・リキッド(GTL)燃料の利用を予定。併せてフォークリフトの電動化や、スマートメーターなどを使った燃料・電力使用量の正確な把握なども計画する。

日刊工業新聞 2023年01月25日

編集部のおすすめ