三菱電機が20年ぶり全面改定、人事処遇制度の中身
三菱電機は2024年4月をめどに人事処遇制度を刷新する。一般社員やマネジメント層に対し、役割に応じて設定する等級・職群といった格付けに基づき、成果を評価して給与を決定する制度。全面改定は04年以来、20年ぶりとなる。品質不正問題を受けて22年に設置した社内委員会が中心となり、組織風土改革の方針と合わせて制度を作り込む。職務内容に応じたスキルを持つ人材を雇用するジョブ型制度など新しい制度の導入も検討する。
品質不正問題を受けて進める社内改革の一つである組織風土改革の施策として、複数の人事制度改革を進めており、人事処遇制度の改定もその一環。
22年6月に設置した社内委員会を中心に具体的に制度を作り込む際に、ジョブ型雇用やスペシャリスト(専門人材)の評価制度、グループ内で世界共通の等級などを適用するグローバルグレーディングなど、新しい人事制度の導入も検討する。個人の課題設定や評価などに納得性や透明性を高め、会社と従業員の結び付き(エンゲージメント)の向上にもつなげたい考え。
制度改定のプロセスも可視化することを重視しており、16日には、労働組合と確認した制度改定の方向性を示すコンセプトを社内に公開した。
三菱電機の人事処遇制度は04年に年功序列的な要素の多かった「資格・職階制度」から役割の価値に基づく「役割職務価値制度」に移行した。一般の社員やマネジメント層に等級・職群という役割の価値に応じた格付けを設定し、年に一度格付けを決定し、その役割に対する成果を評価して給与を決定する。
賞与も個人ごとに年度の業績目標を立て、その達成度に応じて決める。給与・賞与のそれぞれは等級・職群ごとに設定されるテーブル(表)と達成度を照らして決めている。
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日刊工業新聞 2023年1月19日