海底パイプライン検査に成功、川崎重工の「自律型無人潜水機」がスゴい
川崎重工業は、仏エネルギー大手トタルエナジーズと自律型無人潜水機(AUV)で海底パイプラインの状態を検査する試験を実施し、成功した。川重のAUVで防食電位計測と呼ぶ検査を自動化できた。実用化すれば、海底パイプライン検査の効率化につながると期待される。
兵庫県淡路島沖で2022年8月30日―9月2日に、海底に模擬パイプなどを設置して試験した。防食電位計測はパイプラインが腐食しないよう正常に保護されているか確認する検査で、通常は遠隔操作型無人潜水機(ROV)を用いて人間が行う。試験では、AUVが自律して深海を回遊し検査できた。
今後の計画は未定だが、防食電位計測などの海底パイプライン検査全般を自動化できる可能性がある。
川重は潜水艦と産業用ロボットの技術を融合してAUVを研究開発してきた。21年には、英モデュース・サブシー・サービシーズから商用初号機を受注し、製造・試験を進めている。
日刊工業新聞 2023年01月13日