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水素事業売上高4000億円に上方修正、川崎重工社長が語った理由

水素事業売上高4000億円に上方修正、川崎重工社長が語った理由

説明する橋本社長

川崎重工業は6日、事業説明会を都内で開き、エネルギー・環境分野の中核と位置づける水素事業で2030年度に売上高4000億円を目指す計画を公表した。従来の30年度に3000億円の計画から上方修正した。水素サプライチェーン(供給網)の商用化で発電など需要家への水素供給が従来より伸びると判断。そのために必要になる自社の液化水素運搬船や受け入れ・出荷基地などの関連機器の販売拡大を見込む。

川重は関西電力と水素サプライチェーン構築の協業を2日公表し、30年度に関電の兵庫県姫路市の天然ガス火力発電所への供給を予定する。こうした商用化をファーストムーバー(先行者)と定義した上で、橋本康彦社長は「ファーストムーバーの動きが入ってくるのを加え、より精緻な計画になってきた」と上方修正の理由を述べた。

一方で、25年度の売上高目標は従来の1000億円超から520億円に下方修正し、26年度に売上高1300億円の目標を初めて示した。橋本社長は「25年の計画が半年ほど遅れ、26年度になる」と説明した。

従来は売上高目標がある年度の営業利益目標を具体的に公表していた。今回は質疑応答の中で、2ケタの営業利益率と述べるにとどめた。40年度に5000億円、50年度に2兆円という長期の売上高目標は維持した。


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日刊工業新聞 2022年12月07日

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