デジタルコミックで北米市場を攻めるNTT西日本の勝算
NTT西日本は、子会社のNTTソルマーレ(大阪市中央区)が北米で配信する電子書籍コンテンツを2年内にも数十万話(2022年12月現在は8万3000話)に引き上げる方針だ。オリジナルタイトルや日本の出版社の許可を得た漫画などを対象とする。
固定電話やインターネット回線収入の大幅な伸びが見込めない中、新たな事業分野に活路を見いだす。 22年にサービスを始めた北米向けデジタルマンガストア「MangaPlaza」のコンテンツ数を大幅に増やす。「21年の北米の漫画市場は20億ドル(約2600億円)。対前年で62%伸びたが、紙の書籍が多数でデジタルコミックは8%しか普及していない。伸びが期待できる市場にコンテンツを投入する」(森林正彰社長)。年率数十%の市場成長率が期待できるとみる。
北米市場では、日本の有名タイトルを配信する現地企業に加え、韓国企業などが相次ぎ参入。NTT西は日本の出版社との協業や無料で読めるタイトルも充実している点などを強みにシェアを広げる。
「市場の大きさやビジネスのやりやすさで北米を第一に選んだが、他地域での参入も見据えている」(同)とし、日本の作品が人気を集める欧州やアジアにも照準を合わせる。
日刊工業新聞 2023年01月06日