転圧面積1.5倍、熊谷組が振動ローラー自動制御で実証した効果
熊谷組は自動制御で転圧作業を支援する技術を搭載した振動ローラーを使い、自社の施工現場で転圧作業の効率性を実証実験した。規定の転圧回数が6回の転圧作業を、従来の自動制御がない有人作業と自動制御がある場合とで比較したところ、自動制御がある方が正確に転圧できるエリアが約50%多くなり、作業効率が向上した。今後、同社が進める無人化施工の現場などに本格導入を目指す。
振動ローラーの転圧作業の操作を支援する技術「Catコマンド・フォー・コンパクション」は、操作者が搭乗した状態で走行、ステアリング、起振を自動制御する。
また、振動ローラーの転圧軌跡を表示する施工履歴データ管理クラウドサービスにより、転圧回数全体を100%とした場合の各転圧回数の割合をカラー表示が可能。実証実験では自動制御なしで6回の転圧が40・6%に対して、自動制御ありの場合は59・7%と高く、自動転圧作業アシスト技術の有効性を確認できた。
熟練労働者の高齢化や人手不足が懸念される中、ゼネコン各社は生産性を向上する一環で、重機の自動化施工技術の開発を活発化している。
日刊工業新聞 2023年01月04日