自動車生産ようやく正常化か、部品メーカー61社の売上高15%増へ
日本自動車部品工業会(部工会)が発表した経営動向調査によると、会員企業のうち61社が発表した2023年3月期業績見通しは、累計の売上高が前期比15・2%増の27兆8980億円となった。自動車生産の正常化を見込む。
累計の営業利益見通しは同22・1%増の1兆3631億円。ただ、原材料価格やエネルギー価格の先行きが不透明な状況を反映し、45・9%の企業が減益を見込んでいる。
22年4―9月期決算は、累計の営業利益が前年同期比19・0%減の4110億円だった。完成車メーカーの急な生産変動や、原材料などの高騰が利益を圧迫した。
累計の売上高は同16・2%増の13兆2726億円となった。前半に中国・上海市のロックダウン(都市封鎖)の影響を受けたが、7月以降、完成車生産が回復傾向にある点が寄与した。為替の円安も押し上げ要因となる。前年に半導体不足や東南アジアで新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きかった反動もあった。
調査対象は、11月1日時点の会員企業434社のうち上場しており自動車部品の売上高比率が50%以上で、前年同期との比較が可能な企業。
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日刊工業新聞 2022年12月16日