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半導体市場、4年ぶりにマイナス成長が見込まれる要因

2023年の世界半導体市場は19年以来、4年ぶりのマイナス成長となりそうだ。世界半導体市場統計(WSTS)が29日発表した市場予測では、22年途中からの市況悪化の影響が継続し、23年の世界の半導体市場規模は前年比4・1%減の5565億ドルとなる見通し。ただ、第5世代通信(5G)やIoT(モノのインターネット)の進展とそれに伴うデータセンター(DC)の能力拡張といった潜在需要は引き続き強く、23年後半の市場回復をけん引する。

自動車の電動化や、再生可能エネルギーへの投資などでも安定した需要を見込む。製品別ではディスクリート、オプトエレクトロニクス、センサーはいずれも前年比で成長するが、市場規模の大きいIC(集積回路)が同5・6%減。特にメモリーが同17・0%減と22年に続いて大きく減少する。

22年の世界市場は同4・4%増の5801億ドルとなり、成長率が21年の26・2%に比べて大幅に減速する。コロナ禍の特需の一巡に加えて世界的インフレ、中国のロックダウン(都市封鎖)、ロシアのウクライナ侵攻などにより、特に個人向け電子機器需要が低迷したため。日本市場の23年は円ベースで同6・2%増の約6兆6684億円となり、円安効果も手伝い過去最高を更新すると予測する。


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日刊工業新聞 2022年11月30日

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