ニュースイッチ

勤務間休息は最低11時間、新制度を導入した太陽誘電が追求するモノ

勤務間休息は最低11時間、新制度を導入した太陽誘電が追求するモノ

イメージ写真

太陽誘電は、勤務と勤務の間の休息を最低11時間確保する新制度を今年導入した。有給休暇の一部を1時間単位で取得可能にするなど、柔軟な働き方も支援。社員の心身を守り、働きやすさを高めて業績成長につなげる健康経営企業を目指している。労働者の終業時刻から次の始業時刻の間に必ず一定時間の休息を儲ける勤務間インターバルは、2019年の法律改正で、導入が企業の努力義務となった。終業時刻が遅くなった場合は翌日の始業時刻を繰り下げるなどして睡眠や生活時間を確保し、無理のない働き方を促す。

製造部門も含め全社員を対象に制度を導入したのは1月。群馬県にある開発や統括、製造拠点の社員は自動車通勤が多く、睡眠不足が事故につながりかねない。「勤務間インターバルと残業規制を合わせて運用し、社員の心身の健康を守りたいと考えた」と人事部の桑原賢治課長は話す。

導入前にはトライアルを実施。新制度でどのような影響が出るか時間をかけて確認し問題点は解決した上で導入することで、現場の理解を得られるように工夫した。18年には有給休暇のうち最大5日分を1時間単位で取得できるように制度を改め、全社に適用した。半日単位だった従来に比べ、仕事の途中で職場を一時抜け役所に手続きに行ったりも出来るようになった。有給の総時間は変わらないが、取得可能回数が増えることで、「柔軟な働き方が可能になったと好評だ」(常木美幸人事部次長)。

現在も週2回の在宅勤務をどの部署が導入できるかのトライアルを実施中。コロナ禍で従来の働き方が変化する中、過重労働による健康障害などを防ぎ、組織の生産性を高める「健康経営」を今後も追求する。

日刊工業新聞 2022年10月04日

編集部のおすすめ