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コスト高騰「すでに限界」の悲鳴…企業への影響調査が明らかにしたこと

帝国データがとりまとめ

帝国データバンク(TDB)がまとめた、コスト高騰による企業への影響調査によれば、主要な事業について状況を尋ねたところ、「厳しいが事業の継続は可能」とした企業は54・3%と半数を超えた。「内部留保の取り崩しやコストの削減などで対応」(TDB)し、厳しい環境をどうにか乗り越えようとしている姿勢がうかがえる。一方、「すでに限界」と回答した企業が6・5%あった。

「影響はあるが、現時点では余裕がある」と回答した企業は33・4%あった。それでもTDBは「こうした企業においても価格転嫁による需要減や今後のコスト高騰の継続によるさらなる影響を懸念している声が多数聞かれた」としている。

調査では「すでに限界」と回答した企業の状況を深掘りした。内訳を見ると、「別の仕入れ先を検討中」が2・5%、「主力部門以外の強化・主力部門の縮小/撤退、または業態転換を検討中」が1・5%。これら対策を打とうとしている企業が見られる中、2・5%の企業が「企業の存続危機に陥っている」と考えていた。

「すでに限界」の企業を規模別に見ると、「大企業」は2・1%で全体(6・5%)を4・4ポイント下回った。他方、「中小企業」では7・2%、うち「小規模企業」は11・4%となり、企業規模が小さいほど、すでに限界に達した企業の割合が高まっている。

調査は4―9日に実施。有効回答企業数は1452社。

日刊工業新聞 2022年11月17日

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