ニュースイッチ

リンナイが給湯器部品の調達再編、コスト高よりも重視したリスク分散

リンナイが給湯器部品の調達再編、コスト高よりも重視したリスク分散

リンナイが販売するガスの瞬間式給湯器

リンナイはマイコンなど給湯器部品の調達方針を見直す。半導体や樹脂、金属材料の調達難が続くとみて、複数社購買や汎用性の高い部品の採用を広げる。コスト高になる恐れはあるが、リスク分散を重視。製品の安定供給を優先する。給湯器の需要は旺盛だが、メーカー各社はコロナ禍で部品調達が滞り、減産を余儀なくされている。リンナイは足元の生産量が前年比2割減のペースで推移している。

水温や量などを調整する給湯器の頭脳にあたるマイコンは、調達先の切り替えが難しいが、いくつかの製品を評価し、品質や性能を確保した上で複数購買を進める。従来、コスト競争力を高めるため1社購買を推進してきた。また、ベトナムから調達していた電子部品についても複数の国や地域に分散する。ただ、ワイヤハーネスの端子に使う金属材料やハウジングの樹脂は市場在庫が足りず、調達地域を変えても状況が改善するかは不透明。リンナイは「災害などによる一過性の製造難とは異なる状況」とみる。

競合のノーリツも部品不足で減産を強いられ、2021年12月期の業績予想で売上高を下方修正した。

日刊工業新聞2021年12月10日

編集部のおすすめ