製造業・建設業・卸売業は過去最高値、中小企業を圧迫する原材料高の実態
中小企業基盤整備機構がまとめた2022年4―6月期の中小企業景況調査によると、全産業の原材料・商品仕入単価DI(「上昇」―「低下」)は前年同期比12・6ポイント増の67・4となり8四半期連続で上昇した。全産業で上昇し、製造業、建設業、卸売業は過去最高値となった。
産業別では製造業の原材料・商品仕入単価DIは83・7、建設業が82・1、卸売業は73・7だった。経営上の問題を複数項目から選択する設問では「原材料・仕入価格の上昇」を1位に挙げる企業が全産業で最多だった。
企業からは「為替が円安傾向のため、原材料価格はかなりコスト高となっており、価格転嫁は一層厳しくなる」(一般製材業)、「半導体関連の受注は好調だが価格転嫁できていないため収支が悪化している」(プラスチック製品加工業)などの声が上がった。
全産業の業況判断DI(「好転」―「悪化」)は前期比12・2ポイント増のマイナス14・4となり2期ぶりに上昇した。新型コロナウイルス感染症に伴う人流抑制が緩和され、宿泊業などの業況判断DIが上昇した。
同調査は全国の中小企業約1万8900社を対象に実施した。調査時点は6月1日で有効回答率は96・2%。
日刊工業新聞2022年7月1日