測定時間3分の1、東北電力が水力発電所向け欠陥検出システムを開発
東北電力は、グループ会社の東北発電工業(仙台市青葉区、山本俊二社長)と共同で、水力発電所の水車検査に用いる金属内部の欠陥検出システムを開発した。従来の超音波探傷技術に3次元座標データを得る「3D―UT」を追加。5月からの実証試験では、従来検査法より約3分の1に測定時間が短縮できる事例も確認した。
今回のシステムは、3次元超音波探傷検査装置と欠陥を自動で検出する自動検出プログラムで構成。可搬型の装置で、小規模水力発電所(発電出力1000キロ―1万キロワット)での検査が可能になる。東北電力が保有する164カ所の水力発電所での検査に使えるという。
東北電力の水力発電設備の約8割は、運転開始から60年以上を経過。同社は今後の水車の有効活用に向けて、一段と精密な検査を通じた寿命評価につなげる。今後は3次元超音波探傷検査システムの外販なども検討する。
日刊工業新聞 2022年11月15日