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価格2分の1、中国製を再調整した自律ロボットが狙う需要

兼松アドバンスド・マテが市場投入
価格2分の1、中国製を再調整した自律ロボットが狙う需要

兼松アドバンスド・マテリアルズが発売したオリオンスター製AMR「ラッキー」

兼松アドバンスド・マテリアルズ(東京都中央区、浅羽鉄平社長)は、廉価版の自律移動ロボット(AMR)を市場投入した。中国製の商業用配膳AMRを日本市場向けに再調整し、価格を一般運搬用途の同社取り扱い製品比2分の1以下に抑えたモデルを発売した。電子部品の搬送用に廉価版を求めるニーズに応え、年100台の販売を目指す。

発売したAMR「Lucki(ラッキー)」は中国オリオンスター製。幅530ミリ×奥行き500ミリ×高さ1320ミリメートル。耐荷重は40キログラムで障害物検知回数は毎分5400回。

飲食店などの商業施設で使う配膳用としての位置精度はプラスマイナス10センチメートル以上。自己位置推定技術(SLAM)とタグの併用など工業用に改良し、使用環境にもよるがプラスマイナス2―3センチメートルに位置精度を高めた。

消費税抜きの本体価格は250万円前後。電子部品の搬送用途を主なターゲットとして協力会社のテクトレ(横浜市中区)が導入をサポートする。設定期間は1―2日。

兼松アドバンスド・マテリアルズは電子部品メーカー向けを中心に非鉄金属材料などを供給する商社。AMRはメーカーを問わず20機種以上を扱っている。デジタル変革(DX)関連事業として強化するため、本社に営業部門を新設したほか、導入前後のサポート体制を整えた。

省力化や人手不足対策でAMRに対する関心は高いが、一般的な運搬用途で500万―1000万円とされる初期費用が負担となり、導入に二の足を踏むケースが少なくないとみられている。

日刊工業新聞 2022年11月15日

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