脳の疲れ・ストレスを10秒測定、自律神経評価アプリの仕組み
FMCC(大阪市淀川区、倉恒弘彦社長)は、10秒間で脳の疲れとストレス状態を測定できる自律神経評価アプリケーション「ヒロミル お急ぎモード」を開発した。従来の測定時間は60秒だったが仕事前などの測定には長いという要望を受け、測定内容を絞り込み10秒での測定を可能にした。消費税込みの料金は月300円で、通常モードを合わせて使用すると同400円。法人契約では期間や人数に応じて割引対応も行う。
ヒロミルはスマートフォンのカメラ部分に指先を当て、心拍から自律神経を測定する(写真)。10秒間で結果を出せるよう自律神経の活動力にのみ焦点を当て、ストレスの有無と脳の疲れの有無を示す。結果が思わしくない場合、通常モードでの詳細な測定を推奨している。
従来、自律神経の測定は心拍の周波数を分析していたが、60秒より短い測定時間では信頼性が低下する。そこで心拍間隔から自律神経を測定する手法で、短い計測時間でも信頼性が確保できる計算法を導き出した。
2015年の労働安全衛生法の改正で、従業員50人以上の事業所でストレスチェック検査が義務化された。ただ従業員へのアンケートでの診断は自己申告のため正しい結果が得られると限らないのが課題だった。客観的な評価の需要を受けて同社は21年に「ヒロミル」を開発した。
日刊工業新聞 2022年11月04日