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過去2番目の高水準、工作機械受注が1500億円を上回った理由

日本工作機械工業会(日工会)が25日発表した9月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比4・3%増の1508億4800万円で23カ月連続の増加となった。3カ月ぶりに1500億円を上回り、9月として2018年に次ぐ過去2番目の高水準。内需の勢いが若干落ち着きつつあるが需要自体は堅調で、外需とともに高水準が継続している。

内需は19カ月ぶりの減少。前年同月の受注額が高水準だったことに加え、価格改定前の駆け込み需要の反動や長納期化による発注見送りなども見られた。ただ、4カ月連続で500億円を上回り、日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は「基調は変化していない」と強調した。

主要4業種では自動車のみが増加し、7カ月連続で100億円を上回った。一般機械は減少となったものの、2カ月ぶりの200億円超えとなった。

外需は23カ月連続の増加で9月単月での過去最高額を更新した。950億円超えは3カ月ぶり。地域別では北米が4カ月ぶりの300億円超え。ジョブショップや医療関連をはじめ設備投資が活発化しており、9月の国際展示会効果も寄与した。アジアは中国を中心に電気自動車(EV)や電子部品向け需要が旺盛で4カ月連続の増加となり3カ月ぶりに450億円を上回った。欧州は4カ月連続の減少となった。

4―9月期の受注額は前年同期比14・0%増の8956億3000万円で4半期連続の増加。半期では過去3番目の受注額を記録した。今後も自動化や工程短縮、環境規制対応の工作機械需要が見込め、稲葉会長は「一時的な調整はあっても大崩れには至らない」との見通しを示した。

日刊工業新聞 2022年10月26日

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