ファッション業界を変革、セイコーエプソンのデジタル捺染技術がスゴイ
セイコーエプソンは、ファッションブランドのYUIMA NAKAZATOとパートナーシップを締結した。セイコーエプソンのデジタル捺染(なっせん)技術を用いて、環境負荷を低減しながら高品質な衣服作りを推進する。3年をめどに協業し、適時、適量、適地生産の実現など、無駄を出さないバリューチェーンの実証実験を行い、ファッション業界の変革を目指す。
セイコーエプソンのデジタル捺染技術は、水やインク、化学物質の使用量を削減可能。また印刷でシルクオーガンジーなどの極薄素材にも繊細なグラデーションや微妙な色調を再現できる。捺染の後工程の「蒸し」や「洗い」が不要で水の使用量は通常の10分の1程度にとどまる。
同日開いた会見で、セイコーエプソンの吉田潤吉執行役員は「デジタルによるファッション技術と環境負荷の低減でバリューチェーンの進化を実現したい」と述べた。デザイナーの中里唯馬氏は「エプソンとの共創でよりよい衣服のあり方を考えていきたい」と語った。
日刊工業新聞2022年10月21日