主力拠点は中国だが…エプソンがロボットの国内生産能力を5倍に高める狙い

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エプソンのスカラロボット「ハイエンドモデル:G10」

セイコーエプソンは2025年度までに水平多関節(スカラ)ロボットの生産能力を国内で20年度比5倍に高める。豊科事業所(長野県安曇野市)を中心に製造設備の拡充や生産自動化を進める。自動車の電動化や新型コロナウイルス検査キットの生産増などを背景に需要拡大を見込む。同社のロボの主力生産拠点は中国。国内での生産能力増強により、米国輸出時の対中制裁関税の影響を回避したい考えだ。

セイコーエプソンは豊科事業所と中国・深圳市の工場の2拠点でロボットを生産している。国内では豊科で増産するほか、他拠点での生産も検討中。深圳市の工場も生産能力を高める。同社全体のスカラロボットの年間生産台数は20年で1万5000台程度とみられ、25年度に3万台以上の規模に増やしていくもよう。総投資額は40億円程度とみられる。現在日本と中国の生産比率は1対4のところ、25年度には2対3まで高まる見通し。

国内の生産比率引き上げは、米中貿易摩擦による関税の影響を最小限に抑えたいとの狙いがある。米通商代表部(USTR)は18年、中国から輸入するハイテク製品に25%の追加関税を課す制裁措置を発動。産業用ロボットも措置の対象に含まれていた。現在も制裁関税は続いている。

現状、新工場は検討しておらず、主に自社のロボットを活用して生産性を高める。ロボットの生産自動化率が1割程度のところ、25年度までにスカラロボットの主力製品では9割程度に高める。

同社のロボットは元々時計の製造で必要なロボットを自社開発した背景もあり、細かな部品を高精度に組み付ける技術が強み。スカラロボットでは世界シェアトップだ。

これまで主に3C市場と言われるコンピューター、携帯電話、家電の製造・組み立てで使われてきた。今後、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応機器向けなど、自動車関連でも活用拡大が期待できる。医療機器や、太陽電池などの環境分野で成長を見込む。最近では新型コロナの検査キット増産などでも同社のロボが使用されたという。

日刊工業新聞2022年2月25日

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