飲料用で数々のアイデア商品を生み出す、包装資材会社のSDGs
モロフジ(福岡県筑紫野市、諸藤俊郎社長)は、幅広い材質の包装資材全般を製造販売する。BツーB(企業間)取引だけでなく、ウェブを活用したBツーC(対消費者)取引も手がける。
同社はモロフジホールディングス(福岡市中央区)の中核企業であり、グループ内で連携することによる素材を含めた企画開発力が強み。「お客さまのニーズをくみ取って、世の中にないものを常に考えている」(仲谷典久営業部部長)と製品開発に積極的だ。
特に飲料用で数々のアイデア商品を生み出し、大手企業にも採用されている。グループでは設備の工夫などでコストを抑えた生産にも取り組む。
環境対応型の製品に力を入れるのは10年以上前から。植物由来の原料を配合したものなど、プラスチック使用量を減らせるポリ袋をラインアップに擁する。粉砕して細かくした紙を配合した製品はプラスチック同様の機能を持つ。紙袋と比べてかさばらず、耐水性があり水を弾く。
そのほかにも竹の微粉末、サトウキビ由来のバイオプラスチック樹脂、でんぷんや石灰石を主原料とした素材を用いた製品がある。近年は環境対応型製品が国連の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みとして採用されるケースが増えているという。
2021年に販売を始めたのは牛乳瓶のキャップを再利用したポリ袋。回収したポリエチレン製キャップを再生原料にして使用する。半透明でしっとりとやわらかな風合いが特徴。牛乳瓶のキャップに着目したのは「一般に身近で分かりやすい」(同)のが理由の一つ。キャップの回収ルートは確立されており、現在は普及と生産性の向上に取り組んでいる。
これまでにキャップ再生ポリ袋を採用したのは保険会社やガス会社、学校など。社内で使っているアパレル企業もある。採用には牛乳のイメージの良さも影響しているとみられる。1000枚からの受注生産。オーダーメードにも対応する。