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「半導体チップ」最小限構成で集積、東工大が新技術を実用化へ

「半導体チップ」最小限構成で集積、東工大が新技術を実用化へ

新しいチップレット集積技術のコンセプト(東工大提供)

東京工業大学の栗田洋一郎特任教授らは、最小限の構成で半導体チップを集積するチップレット集積技術を開発した。チップから垂直に配線を引き、ブリッジ配線を介してチップ間を接続する。チップ間の接続密度を高められ、電気特性が改善する。産学でコンソーシアムを作り、社会実装を進める。

樹脂モールド中に半導体チップを並べて、柱・吊り橋構造の配線で接続する集積技術を開発した。チップ同士を水平方向に微細配線で結ぶのではなく、チップから垂直方向に柱状配線を引き、微細配線を含むブリッジに接続する。集積体とブリッジはモールド中に封止される。

チップ間を結ぶ微細配線は密度と電気特性が向上し、外部と接続する配線は高周波数特性や放熱性が改善する。集積規模を大きくしても歩留まりが下がらず、集積モジュールを大型パネルのサイズで製造できる。

半導体集積回路は微細化の限界が迫っており、3次元集積の高度化が求められていた。東工大と大阪大学、東北大学を中心に32社が参画するコンソーシアムで実用化を目指す。

日刊工業新聞2022年10月12日

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